『未来のミライ』を金曜ロードショーで見ました!
昨年に映画館でみた時の感想と違った角度から映画をみることができて、良かったです。
実は映画館でみたときは、思ったよりホラー映画だった。
という感想でした。
2008年のジブリの『崖の上のポニョ』をみた時の感想に似ています。
しかし、先日に金曜ロードショーで2回目をみたときに、さすが細田監督!
ちゃんと、じっくりと作品をみて言いたいことが伝わりました。
次回の人気映画『サマーウォーズ』に向けて、『未来のミライ』のオススメのポイントを書いてみますね!
未来のミライは細田監督の作品の中で異色的な扱い
『未来のミライ』が公開されてはや1年です。
公開当初は、意外にも否定的な意見が多かった覚えがあります。
僕はとても感動して、忘れた頃にもう一度見たい!と思っただけに残念ですが・・・。
次のような意見が多かったそうです。
- おもちゃを散らかす描写がやりすぎ
- 蜂ゲームの表現が少しアレである
- くんちゃんへの大人の態度が可愛そう
- 終盤のホラー演出がトラウマになった
などの評価が公開当初は出ていたようです。
確かに上であげた4つの点のうち、僕も実は次の2つに公開当初は思っていました。
- おもちゃを散らかす描写がやりすぎ
- 終盤のホラー演出がトラウマになった
特にホラー演出に関しては、そこまでやらなくても伝わるのに・・・
とは思っていました。
しかし、そのホラーさは子育ての難しさや、人生でやり直しがきかないことの怖さとも取れるのです。
そのように考えると、作中のホラー演出には意味があったと思います。
それらの点が、爽やかな作風の細田監督作品では異色と言われている理由です。
細田守監督のホラー演出には意味がある!
2回目をみたときに、やはりこのホラー演出は必要であった!と思えました。
その理由は次の通りです。
- 自分とは何者か?その問いから逃げると孤独へ向かうことになる
- 当たり前の幸せに気づかないと自己を理解できない
この2点の人間の深層心理の事実を、映像化したのが終盤の黒い電車なのです。
初め見たときも「かなり悪者そうな電車だなー」とか思ってました。
そして、他の電車とも異様にオーラが違って見えました。
少なくとも僕はそのように解釈しています。
しかも恐ろしいのは、電車が好きな「くんちゃん」の電車好きさをトラウマ化してしまう恐れがある演出にしたのも意味があるのですね。
好きなものだと思っていたことがマイナス面で突然に生じると突然、嫌いになったりしますよね。
例えば信じていた他人から裏切られた場合などはトラウマ化必至ですよ。
では、ここまでのひとまとめの整理として、
くんちゃんにとって物語の終盤より手前の時点で、好きなものと嫌いなものをまとめます。
- 好きなもの→電車
- 嫌いなもの→未来ちゃん
つまり、好きなものをより凶悪に、
そして、その状況を脱すのに嫌いなものを受け入れる試練があったのです!
(少なくとも『未来のミライ』という作品ではそのような演出がありますね。)
細田監督が凄いと思ったのは見ている僕たちも、くんちゃんと同じ(より似た)怖さや焦りを感じる作りにしていることです。
世間からのホラーすぎるという酷評は、逆に細田監督の腕を評価している証の裏返しでもあります。
なぜなら、電車を真っ黒にしたりする(前作では東京の空を鯨が舞う!)などの演出は、
細田監督だからこそ思いつくアイデアであるからです。
今度とも、このような面白い演出を楽しみにしていますね!
未来のミライで一貫して伝えたかったテーマは人生の糧になる!
この作品は1度見ただけでは理解ができない味(というよりも深さ)があります。
ただ、怖かったな・・・。
未来ちゃんなんで大人になったり赤ちゃんになったりするんだろう・・・。
とかですね笑
2回みた今でこそ、この作品のテーマを書くと次のような感じになります。
- 私とは何者か?の問いから逃げてはならない
- 当たり前の幸せに気づくことの難しさと大切さ
- 相手に手を差し伸べ合うことの大切さ
- 嫉妬の愚かさ
私とは何かから逃げてはダメだ!
結局、物語を締めくくったのは、くんちゃんが、
自分の存在を未来ちゃんのお兄ちゃん!と定義できたことにあります。
結局、人間は関係性の中でしか生きられないということですよね。
そして忘れてはいけないのは、現在のくんちゃんが現在の赤ちゃんの未来ちゃんを好きだと強く思って実感できたことです。
好きの嫌いは無関心という言葉があるように、きちんと相手の存在を認めて好きになるという過程は人生において大切だと思います。
そのような周囲の意見に流されない訓練を日頃から実践して行きたいですね。
当たり前のことに気づくことができなければ未来へは進めない!
服を着ている、歩ける、勉強ができる、体を動かせる・・・。
これって今の時代に生まれているからできることですよね?
当たり前のことって失う直前や、ふと思い立った時に気がつくものです。
戦争の時代に生まれていたら衣食住のどれかは不自由だったはずです。
『未来のミライ』では、時空が時々乱れることがあります。
本作品を通して、当たり前の事実に気づいてよ!と静かに訴えているように感じます。
特に平和に慣れている僕たち現代人にとってはなおさらですよね。
どんな相手でも互いに手を差し伸べ合おう!
物語では、くんちゃんがお母さんの子供時代にタイムスリップして、
お母さんの髪を撫でて慰めるシーンがあります。
ここで泣いた方も多いのではないでしょうか?
そして曾祖父さんの戦争の時代に一緒にバイクに乗って、苦手な自転車を克服するために、遠くを見ろ!と格好良く教わります。
果てには未来のくんちゃんから、お前はガキだな・・・とも叱咤されます。
しかし、そこには相手のための行動です。
興味深いのはパラレルワールドで起こったくんちゃんの道徳的な行動が、しっかりと現実世界にも反映されている点です。
この事実も2回見てやっと気づきました笑
嫉妬なんていいことないよ!
くんちゃんは、未来ちゃんが生まれて、親の愛情が妹に移ってしまったことで嫉妬という感情と始終闘うことになります。
本作品の敵は嫉妬という感情でしょうね。
嫉妬の対処法は、相手を認める強さにあります。
とても手強い相手だとは思いますが、本作品の4歳の少年にもできたのです。
大人の僕たちだって、相手を受けている強さを持って嫉妬というラスボスに勝とうじゃありませんか!
細田監督作品は名作の宝庫!サマーウォーズも見よう!
次回の『サマーウォーズ』は、おそらく一番人気の作品では?
青春と才能と泥臭さが詰まったこの映画は夏にぴったりです。
-
-
サマーウォーズを金曜ロードショーを待ちきれずに見たら感動したよ!
続きを見る
この作品はテーマ曲がとても耳に残って綺麗なリズムな第一印象が強い名作です。
かき氷を食べながら見てみましょう!
アマゾンプライムで高画質で見るのがやはり一番いいでしょう。
お読みいただき、ありがとうございます。