数検

数検1級の難易度に勝利する方法

この記事を読むのに必要な時間は約 29 分です。

数検って意味あるの?という意見も多い中で、今の時代、数学の魅力を再確認されて学び直そうとしている方もおられます。

(英検1級に受かってからまとめて1級対策として書こうと思っていましたが)

数学を趣味で使うためのラスボスとして、そして、数学を専門にする方達の登龍門としての立ち位置である数検1級の攻略を、数検初段の1次試験合格者のnananairuが、どこよりも詳しく伝授させていただきたく思います。

(試験形式とか・初見殺しの問題のオンパレードとか・準備不足もあり、2次試験はあと少しの所で敗退でした。2次の受験者は僕1名だけという数検段位はトンデモ試験です笑)

数検協会の中の人
数検協会の中の人
(大量の白紙を配られて)問題を解けるだけ解いて下さい。

nananairu
nananairu
・・・ッ!!

そんなトンデモ難易度(それでも東大院試の数学の方がヤバイ)の数検段位の試験は現在、消滅してしまい本当に残念です。

是非とも復活を希望します!

初段1次ホルダーの視点から1級を冷静に見ると1級合格はかなりテンプレ化していると思います。(漢検1級から見た漢検2級くらい?)それでは、数検1級の合格へのテンプレを順を追って紹介していきますね!

数検1級を目指す意味

日本三大検定の一角にして、数学専門の資格試験として数学検定が存在しています。数検には12級(ゴールドスター・シルバースター)から1級まで12段階のレベルがあります。1級はその頂点に君臨する立ち位置になります。1次検定と2次検定が同日に行われ、どちらも取得して晴れて合格になります。12級から6級までは算数の範囲です。

5級は中1、4級は中2、3級は中3(高校入試の範囲)

準2級は高1、2級は高2(センター試験で半分取れるレベル)ちなみにこの次から1次試験>2次試験の難易度(受かりにくさ)になります。

準1級は高3レベル(理系マーチ数学で合格点が取れるレベルであり難しい)

準1級の攻略法は下記をお読み下さい。

数検準1級に勝利する方法数検準1級にどうやって挑むか?について記させていただきたいと思います。 https://nananairu.work/2018/11/...

そして、1級は大学レベルです。1級を取得すれば、よほどの数学を専門にする方以外では、数学が得意であると胸を張れるレベルになります。

1級を取得する意味は、数学的な論理的思考を身につけ、脳を更に活性化させることに在ると考えます。

数検1級の範囲と傾向

大学受験数学

ここは東大レベルの問題を答えのみで答えさせる問題まで出題されます。準1級を満点近く取れる力がないと厳しいというのが自分の感覚です。

チュー太
チュー太
それってどれくらい難しいの?

nananairu
nananairu
東大の問題は1問25分くらいかけるのが普通だけど、似た問題を8分で解けなきゃタイムアップだよ

チュー太
チュー太
ッ!!!

微分積分

偏微分、全微分、重積分ですね。あとはまぁ、極限ですね。ロピタル様の出番です。高校数学からは繋げやすいと思う分野ですね。ただ偏微分だけ、全微分だけすれば得点可能な問題もありますが、多変数関数の極値や最大最小問題も出題されています。

重積分は計算がメインと考えてOKですが、過去にはn次元の体積を求める問題など出題されています。

チュー太
チュー太
ロピタル様って何?

nananairu
nananairu
極限値を裏技的に求める手段だよ。大学受験では禁止されてるけど

線型代数

旧課程の高校数学では存在した行列からの発展の分野です。

数検1級では、深い理論までは問われず、計算ができれば合格点は取れます。

(深い部分は大学院入試で出題されます。)行列式は1次2次検定共に出題されます。1次では技巧的な計算が要求され、2次では漸化式を持ち出すなど初見殺しの問題も散見しますが、所詮は計算なので努力で対処可能です。

線形空間では、像や核や次元定理の理解が要求されます。固有値や固有ベクトルは計算メインです。CH定理やフロベニウスの定理、大事です。1次試験で出ます。計量線形空間は、内積の計算や外積の図形的理解が要求されます。(ベクトル解析の深い理論までは出題されません)ジョルダン標準形は計算とn乗計算ができればOKです。

チュー太
チュー太
線形代数って何やってるかサッパリだよ

nananairu
nananairu
多分1級って線形空間の理解がヤバくても受かっちゃう印象なんだよなぁ

微分方程式

常微分方程式が圧倒的に出題率が高いです。演算子法まで取得した方が良いですね。ここは計算ができれば1完できる問題が多いです。初見問題はほぼない分野なので、下記に記された参考書で勉強すれば対処可能です。ラプラス変換、フーリエ級数も、微分方程式を解くために学ぶというスタンスで学習していただきたいです

チュー太
チュー太
微分方程式って基本的な奴しか出来ないよ

nananairu
nananairu
合格ならギリギリ大丈夫かも。ラプラスとか使わせるのは2次試験で誘導付きだから

複素解析

留数定理、使わないなーというレベルで表面的に学習していただければOKです。大学受験数学と被っている問題もありますが、過去に複素積分が出題されていたりと、過去問が大事になる分野です。

チュー太
チュー太
留数とか出ないんだね?

nananairu
nananairu
僕が知る限り複素積分の計算は1回だけしか出題されてないよ

確率統計

確率はまぁ定義を覚えて下記の問題集で過去問マスターして下さいとしか言えません。統計は、これぞ過去問からしか出ないとしか言えません(笑)

1級受験経験がお有りの方は解っていただけるはずです。

チュー太
チュー太
統計が意味不

nananairu
nananairu
2次試験では同じような問題しか出ないからボーナス分野だと思うんだけど・・・汗

整数問題

ここは過去問です。深追いは危険です。最も難しい分野の印象です。

東大より難しい?!数検1級の過去問の難易度を紹介

数検1級はここ最近ですと年に3回行われます。 1回目が4月上旬・2回目が7月中旬・3回目が11月下旬という感じです。

つまり1年間に3回のチャンスがあるのですね。 また漢検1級と違って年度第一回が最も難しいとかはありません笑

しかし、数検1級は受ける回によって当たり回と外れ回のギャップが物凄いです。

特に答えのみの一発勝負の1次試験ではこの傾向が顕著に現れます。僕が知る限りですと合格率0.8%の回があった気がします・・・。

この時の回は過去問をやり込んでいるかどうかで合否に大きく影響が出た回ですので、過去問研究は大事ですね。漢検1級にこの理屈が通じないのは痛いところですね。

僕がずっと集めている資料の情報を学習者に提供いたします。今回は、X年度の第Y回が第Z回検定に該当するのかを書きますね。

1992年

  • 第1回検定

1992年〜1997年

  • 第2回検定〜 1997年度2月が第14回検定

1997年〜1998年

  • 第15回検定〜第30回検定

1998年〜1999年

  • 第31回検定〜第36回検定 ここまでが回数不明だが存在が確定している時期です。

2000年

  • 6月:第41回検定
  • 7月:第42回検定
  • 10月:第45回検定
  • 11月:第46回検定 この年は年に4回の1級試験があったようです。

2001年

  • 7月:第54回検定
  • 11月:第57回検定

この年は年に2回の1級試験があったようです。回数がブレていることから1級の試験体制を再検討していたのでしょうか?

2002年

  • 8月:第67回検定
  • 11月:第71回検定

2003年

  • 4月:第76回検定
  • 7月:第80回検定
  • 11月:第83回検定 この頃から1級の試験の難易度のインフレが始まってしまいます

2003年

  • 4月:第76回検定
  • 7月:第80回検定
  • 11月:第83回検定

2004年

  • 4月:第88回検定
  • 7月:第92回検定
  • 11月:第96回検定

第96回検定で偏微分方程式が出題されて戦意喪失した悪夢が蘇ります。 しかも1次試験という鬼畜さですよ苦笑

この頃の数検1級の難易度はヤバかった・・・。ここで∂(デル)さんとエンカウントするなんて想定外すぎました。

第96回は数検1級1次のトンデモ回として有名です。

2005年

  • 4月:第102回検定
  • 7月:第106回検定
  • 11月:第110回検定

2006年

  • 4月:第116回検定
  • 7月:第121回検定
  • 11月:第125回検定

2007年

  • 4月:第133回検定
  • 7月:第137回検定
  • 11月:第142回検定

2008年

  • 4月:第149回検定
  • 7月:第154回検定
  • 11月:第161回検定

2009年

  • 4月:第167回検定
  • 7月:第171回検定
  • 11月:第176回検定

2010年

  • 4月:第184回検定
  • 7月:第190回検定
  • 11月:第197回検定

2011年

  • 4月:第206回検定
  • 7月:第209回検定
  • 11月:第213回検定

2012年

  • 4月:第220回検定
  • 7月:第223回検定
  • 11月:第228回検定

2013年

  • 4月:第235回検定
  • 7月:第238回検定
  • 11月:第243回検定

2014年

  • 4月:第251回検定
  • 7月:第254回検定
  • 11月:第260回検定

この年はなんと!8行8列の行列式の計算が1次試験に出題されて、家で解いていた時に、 これ、受験生見抜けるのかな??と思っていました。大学院入試っぽいなと思いました。ちなみに東大院の入試はもっと複雑です。

2015年

  • 4月:第268回検定
  • 7月:第271回検定
  • 11月:第277回検定

2016年

  • 4月:第285回検定
  • 7月:第288回検定
  • 11月:第293回検定

2017年

  • 4月:第302回検定
  • 7月:第305回検定
  • 11月:第310回検定

2018年

  • 4月:第319回検定
  • 7月:第322回検定
  • 11月:第327回検定

これだけ1級の問題に触れていれば、問題の傾向とかパターンとか知り尽くしている自信はあります。

受験した当時は難易度の体感では1次>2次だと思っていましたが、 現在の自分が冷静に過去問を分析すると、1次<2次だと思われます。 これは合格のし易さではなく、満点を取れるか?というレベルでの比較です。

今の自分が数検1級を0から勉強するとしたら

自分は勉強は独学でするべきものだと確信しています。その考えの元で、どの参考書をどの順で学習すれば良いかを記したいと思います。

この本は難関大学受験生にとってはバイブル的な本です。東大数学で合格点を取れるか?的なレベルの本です。この1冊で大学受験数学のほぼ全てを俯瞰できるコスパが高すぎる一冊です。もしも本書が難しい場合は、1級の過去問を解きながら、感覚を養っていただいてもOKです。

本書は数学検定1級の微分積分の教科書です。これで例題を学習してからの、

本書で過去問題で演習していただければ、合格点は余裕だと思います。

本書で線型代数を1から学び、例題を解いて苦手意識を減らして行きましょう。

線型代数でどこまで勉強すれば良いのか?数学検定1級に限れば、ここまでで合格点ですよ!という指標になる本です。

本書で、微積や線型代数というメインから外れた過去問をマスターしましょう。特に大学受験範囲や確率統計は必見です。このコスパ高い一冊をマスター出来るかどうかが合否を分けるでしょう。以上です。基本的に微分積分と線型代数は同時進行で学習していただき他は上述の順番でOKです

数検1級の参考書を総整理:過去問という観点

過去問が掲載されている参考書を時系列順に並べました。 書店では入手不可能に近い品物もあると考え、リンクをまとめました。

「数検」問題集 1級

1994~1997年の過去問が3回分解ける。解答が簡素のため学習しづらさは否めないが最近の問題集に載っていないパターンに触れられる。

数検実物過去問題集 1級1次

1997~2000年の過去問が8回分解ける。恐らく最も入手が難しい本のため発見時は即時購入が吉。

もうほとんど手に入ることは難しいでしょう。どうしてもという方は、国会図書館にて入手されるのが良いと思います。国会図書館については後日に記事にする予定です。 本書は8回分の過去問が掲載されています。

数検実物過去問題集 1級2次

1997~2000年の過去問が8回分解ける。恐らく最も入手が難しい本のため発見時は即時購入が吉。

新過去問題集1級・準1級

2003~2004年の過去問が4回分解ける。1級チャレンジャーは準1級の過去問は解かなくてOK。1級の難化に対応し始めた初めての対策書である。

「数検」 発見I -1級攻略

2006~2008年の過去問が7回分解ける。1級の歴史の中で最も合格が厳しい回の問題がギッシリつまった対策書の印象である。新品で変えれば幸運である。

数学検定問題集 1級

2011年の過去問が3回分解ける。内容は同じ創育社の物と同一で異なるのは過去問部分のみである。1000円で過去問3回分は価値があると感じる。

実用数学技能検定1級「完全解説問題集」発見

2012~2014年の7回分の過去問が解ける。発見Iの本とは内容が全く異なるので注意されたい。

合格ナビ! 数学検定1級1次 解析・確率統計

2017年の過去問が1回分解ける。本書は1級に頻出の微分積分と確率統計を体型立てて説明している教科書的な存在である。合格には必須のバイブルである。

合格ナビ! 数学検定1級1次 線形代数

2018年の過去問が1回分解ける。本書は1級に頻出の線形代数を体型立てて説明している教科書的な存在である。合格には必須のバイブルである。

数検1級の参考書を総整理:難易度という観点

1級の参考書を難易度順に並べてみました。 易しい方から難しい方へと流れて行きます。

数検の完全対策

最古の1級対策書である。1級初期の頃の過去問に触れることができるレアな本である。ただし内容は現在の内容と比べて大変平易である。

数学検定の完全対策

難易度が落ち着いてきた頃の1級の過去問に触れられる良書である。準1級以下の復習もこれ1冊で万全です。

数学検定1級実践演習

1級で頻出分野の微分積分・線形代数・確率統計以外の頻出パターンを吸収するために大変に有益な本である。是非とも手に入れて置きたい。

数学検定1級準拠テキスト 微分積分

1級の頻出分野の微分積分の過去問を通して内容を芋蔓式に理解させようという狙いの本である。数学が苦手な方には推薦できないが得意な方にはコスパ最高の1冊となる。

数学検定1級準拠テキスト 線形代数

1級の頻出分野の線形代数の過去問を通して内容を芋蔓式に理解させようという狙いの本である。数学が苦手な方には推薦できないが得意な方にはコスパ最高の1冊となる。

完全ガイド! 数学検定1級

問題から派生する事柄や発端となる考え方に重点を当てた大変に数学的な本である。そのため1級で満点合格を狙うための本である。合格のみを目標とする方にはオーバーワークとなる。

ザッと全書を見直しましたが、とても難易度が高い検定試験ですね。

1級チャレンジャーの方は、関連記事を参考にしつつ合格への道を切り拓いてください。

本番の目標点数

満点を目指そうとするのはチャレンジャーの方にはオススメできません。

満点を目指すには、12/12に発売された新刊が出来ないと多分厳しいですね。

繰り返しますが、合格を目指すのみならば不要です。

詳しくは、数検1級受験者必見!最新の傾向を踏まえた新刊と旧刊との比較へ

数検1級受験者必見!最新の傾向を踏まえた新刊数検1級を受験予定の方は、学習の進行はどうでしょうか? 今日、前々から楽しみにしていた参考書が発売されました。夕方購入し、おそらく今日...

1次試験は7問中2ミスまで許されますが、これがキツイ(経験者は語る)

注意点としては第1問が時間かかるだけの問題の場合は、その回の合格可能性は一気に下がってしまうので、残りの問題を全て正解する覚悟で挑んでいただきたいと思います。

2次試験は大問が7題出題されますが、そのうち2問は必須、残り5問中2問選択という仕様です。6割程度で合格です。ちなみに必須がどちらも白紙だと、その時点で不合格です。しかし、上述の参考書で勉強いただければ、どちらも???な状態は回避出来るはずです。そのうちの1問は線型代数である確率が10割近いです(笑)

選択問題は必ず1問は統計問題が出ます。テンプレなので1問いただきですよ(笑)

他は微分積分で解ける問題のストック量が増えていれば、更にもう1完出来る可能性がかなり高まります。他の問題は部分点をかき集める作戦が安全です。

チュー太
チュー太
数検1級ってめっちゃヤバイね

nananairu
nananairu
数検は他の検定と違って計算ミスも命取りになるから厄介だね

以上になります。自分は1次試験で死闘をした記憶があります。受験する方は1次試験を突破する学習が1級正規合格に結びつくイメージで、頑張っていただければと思います。

お読みいただき、ありがとうございます。